20数年前の乳がん初発の時と再発した今とで決定的に変わったこと
一番大きいのはSNSの有無
20数年前もネットでがん情報を得ることができたし
患者同士でネット経由で情報交換もできたが
それはパソコンの掲示板やmixi(知らない人もいるかも)を使ってのことだった
ネット通販で患者の治療生活に必要な物品を購入することが
できるようになり始めたのもこの頃
患者同士の交流は
リアルに対面する患者会が主流だったけど
直接対面することなくインターネット上でやり取りして友達になる
ネット世代の患者どうしのつながりが増え始めて
闘病記をブログに綴る人も出てきた時期だった
その後
初発から17年後の2017年の暮れに再発して乳がん界に戻ってみたら
がん患者界隈も当然SNSワールドになっていた
患者会とか患者コミュニティというくくりとも違う
気の合うがん患者属性のX(言いにくいなあ・旧ツイッター)仲間とでも言おうか
Xで多くの患者さんが
自身が日々の病状や心や体の痛みや苦しさや生活の喜怒哀楽をつぶやいている
朗々と意見を言う訳ではなく
つぶやき、声にならない心の声、まさにつぶやき=ツイートで
誰かが悲しんだり苦しんだりしていると誰かが声をかけてくれる
患者同士でつながって仲間同士で支え合っている人も沢山いる
患者同士だからわかることもあるのだ
Xでは進行がんの患者さんが時間とともに弱っていく声も気持ちも
リアルタイムで可視化されている
終末期まで直接声を届ける方もいて
やがて
人生の幕が降りると直後にそのアカウントからご家族やネット仲間が
亡くなったことを報告し
フォロワーさんで追悼する
そこでアカウントが終了することもあるし
ご家族がアカウントを引き継ぐケースもある
ご家族がアカウントを引き継ぎ
故人を介したSNS仲間と繋がることで
残された方々のグリーフケアになっているケースを見ていると
とても現代(いま)だなあと感じる
私はというと
私もXを使っている
がん情報をリアルタイムで拾うつもりでアカウントを作った
再発転移の乳がん患者になって変わったことは
患者仲間を積極的には作ろうとしていないことだ
もちろん、声をかけていただくと嬉しいので
レスを頂戴した時には速攻でお返事してるけど
初発の時のように患者会などで積極的に患者仲間と
つながったり会ったりはしていない
初発から再発まで長い時間生きている間に
再発転移したがん仲間を多く失ってきた
「あなたは長生きしなさい」と言い残して仲間がいなくなっていくのが
ずっとつらくて悲しかった
同病で友達になった人の中で再発してしまった人が私以外全員いなくなって
生き残っているのは自分だけだと知った時、心がしぼんでいくのがわかった
そして今は私もこの世界から消えていくレールの上に乗っている
仲間を増やすといつかまたつらい目に遭うと思うと
積極的に関われなくなった
これ以上の心の重しを増やしたくない
こんな気持ちの流れから
Xに限らずがん仲間のつながりを積極的に増やそうと思わなくなった
Xのアカウントは人生の終わりが近くなったら閉じるつもり
脳転移がどう悪化していくのか想像がつかないけど
判断力がある段階で閉じないとね
SNS以外にもあるネットのお買い物アカウントとか色々
どうしよう???
いくつか削除してみた後でまた新たなアカウントが必要になったり
いつ整理すべきか本当に悩みどころ
立つ鳥跡を濁さず、が理想で家族に極力迷惑をかけたくないけど
多分できないだろうなー